ここ最近、境界知能という言葉をよく聞くようになりました。
特別支援に携わる身として、この言葉の意味を分かりやすく伝えるためにまとめてみました。
24/10/18【NHK首都圏ナビ】
境界知能とは 特徴は 検査でIQ81と判明した女性 仕事や学習で長年悩むも“支援がない”
24/10/15【コクリコ】
7人に1人が「境界知能」 発達障害・知的障害との違い 「就職で苦悩」…医師が解説
wikipedia”境界知能“
別名「知的ボーダー」
定義は
IQ70以上85未満
ということです。
正規分布の統計で考えると日本に14%、1700万人いるとされています
IQ70未満の場合は知的障害として扱います。
ちなみにADHDや自閉症などの発達障害の場合は境界知能とみなす文献と境界知能として扱わない文献があり、あいまいな言葉です。
調べてみるとLDとの区別もあいまいです。
私は職業柄、このような子ども達と接する機会があります。
ひとくくりに「境界知能」といっても、状態は様々です。
そこまで勉強や生活への支障が見られない(または困難が隠れている)子もいれば
勉強について行けなくて苦しい子もいます。
言われていることの理解が難しい子もいれば、行動がゆっくりで全体の動きから遅れてしまう子もいます。
私がこの境界知能で課題と感じているのは、支援の遅れです。
はっきりと「知的障害」の診断が出て、保護者も見通しがもてた場合は特別支援学級などの利用で支援がなされます。境界知能の場合は「特別支援学級に行かなくても大丈夫なんじゃないか・・・」と、思い本当は支援が必要なのに支援が受けられない場合もあります。
また発達の程度は、個々人によって大きな差があり、小学校高学年や中学生になってから支援が必要になってくる場合もあります。
発達障害にまつわる言葉は様々で年々使う言葉が変わる場合もあります。
その中で境界知能は発達に関わる言葉のかなり大きな枠組みのため
アセスメントがより重要となってくるわけです。
社会全体の課題として周知されはじめたことが良い事だと思っているので
この話題を機会に「発達障害」「知的障害」のことを知ってくれる人が増えてくれたら嬉しく思います。