世間でも、特別支援教育の間でも
「発達障害」などの言葉を使う時に「障害」という表記をすることが多いです。
私も、仕事上で見かけるのはほぼ99.9%「障害」という表記です。
しかし
「障害者」「障碍者」「障がい者」など、主に3つの使い分けをされる場合があります。
それぞれの使い方を簡単に説明すると
- 障害者・・・常用漢字で、広く使われている
- 障碍者・・・「害」という意味が「害虫」や「害悪」などを連想させる。「妨げる」という意味のある「碍」という字を使うことで、社会生活が妨げられているという意味で使われる。
- 障がい者・・・上の2つの使い方や考え方に縛られない場合に使われる。
これらの使い方についてはたびたび議論にあがります。
その人その人で、どの字を使うか決めている人もいると思います。
その中で1つの参考になるのではないかなと思うのは以下の内閣府資料です。
「障害」の表記に関する検討結果について(平成22年度)
それぞれの細かい考え方を紹介したいと思います。
障害について
障害者は社会参加が制限されています。
それは社会にある「障害物」が原因であって
その障害物を改善・解消していくことが必要です。
なので障害者自身は「害悪」のような意味で使われているというわけではない、という意見があります。
しかし「害」の悪いイメージが、障害者の存在にマイナスなイメージを与え、悪い価値観が浸透してしいるという意見もあります。
障碍者
「碍」はカベの意味を表し、その「カベ」に立ち向かうぞ!といった意識改革が必要という意見がありました。また、障害を「医学モデル」障碍を「社会モデル」とする考えが良いのではという意見もありました。
逆に、仏教語の障碍(しょうげ)の語源にも問題があるため、どちらにしても悪いイメージが指摘されてしまうという意見もあります。
ちなみに朝日新聞では「碍」が、普段使われない字で国民がその表記を理解した上で使うのは問題ないが、「障碍」と表記を変えただけでは根本的解決にはならない。と書かれています(大幅にまとめたので詳しくはリンク先の資料を見てみてください!)
障がい
先ほどと同じような意見があります。
- 害は悪いイメージ
- 碍に「カベ」のイメージがあるからひらがなよりも障碍が良い
- 障害者権利条約から考えると「障がい」が適切
ソニーや第一生命などの企業は表記に「障がい」を採用しているそうです。
チャレンジド
アメリカで使われるようになった言葉だそうで、the challengedを語源としているそうです。
日本では社会福祉法人プロップ・ステーションという団体が提唱しています。
「障害」を前向きな言葉で表現していることが特徴です。
しかし、障害者に「チャレンジ」することに取り組んでもらうというような誤解も与えてしまう可能性があります。
まとめと私的意見
誤解を恐れずに言うと
「害」が悪いイメージだからやめたほうがいいよね
害でもいいんじゃないかな?
という意見が2分している、というのが現状だと思います。
しかし現段階ではどれか1つにまとめたほうがいい!という段階ではないと思います。
「しょうがい」をどう使うかはその人その人の自由で、自分の意見を肯定的にとらえれば良いと思います。
ただ問題の本質は何なのかなと考えると悩むところです。
表記を変えるともしかしたら何かしらのメリットがあるかもしれません。
しかし、今は表記を変える、話し合うよりも大切なことがとてもいっぱいある!
というのが私の意見です。
議論されていることを知るのは大切だと思い今回はこのような記事でまとめさせていただきました。