東京の先生の”異動”を解説します

コラム

異動とは?

東京の先生たちは基本的にずっと同じ学校にとどまることはできません。

人員の流動性をもたせることで、学校が封鎖的環境になるのを防いだり、適材適所な配置にする意図があります。これは東京都の文面で詳しく明示されています。

今回は2024年時点での基本的な東京の異動ルールを解説したいと思います。

異動ルールの基本

  • 4年~6年の教員が異動対象※1
  • 6年在籍した教員は必ず異動する※2
  • 異動の希望は出せるが、必ずしも希望は通らない
  • 初異動は希望はほとんど考慮されない、島や特別支援学級の可能性もある。
  • 地域経験・ステージ制が取られている(後述)
  • 通勤時間は60分~120分、ただし、90分を標準とする
  • 令和6年度から、現任校での勤務が3年未満の場合でも島への異動が可能となった
  • 過員の場合は、年度途中でも異動となる可能性がある(同地区内)

※1
学級が減った場合・同じ職場での結婚・親の介護・特別な事情がある場合には1~3年の異動もある。

※2
以前は7年以上同じ学校に在籍できる例もあったそうですが、最近はそれが見直されつつある。
病休や育休・産休などの期間は除く。端数10カ月以上は1年に繰り上げ換算。

地域制・ステージ制

ややこしいので1つずつゆっくり確認して見てみてください。

地域制とは

地域制とは、東京都を12地域に分けて
「5校を経験するまでに、3つの地域を経験しなくてはいけない」
というルールです。
※原則は3校経験する間に3地域なのですが、保育・介護・病気といった事情がある場合は5校まで遅らせることができます。

3つの地域を経験する
の基準を満たしてなければ
同じ地区に異動できません。

例えば①~⑫までで①と⑦2つの地域しか経験していない場合は町田市→多摩市
の異動はできません。

さらに、1地域を経験したとみなされるには
3年以上の在籍が必要です。

  1. 千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、渋谷区、中野区、豊島区
  2. 品川区、目黒区、大田区
  3. 世田谷区、杉並区
  4. 北区、板橋区、練馬区
  5. 荒川区、足立区、葛飾区
  6. 墨田区、江東区、江戸川区
  7. 町田市、多摩市、稲城市
  8. 八王子市、日野市
  9. 武蔵野市、三鷹市、小平市、東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市
  10. 立川市、府中市、調布市、小金井市、国分寺市、国立市、狛江市
  11. 青梅市、昭島市、福生市、東大和市、武蔵村山市、羽村市、あきる野市、西多摩地域
  12. 島など

ステージ制とは

先ほどのルールの例外で
3つのステージの中で2ステージを経験すれば、3地域を経験したことになります。
つまり、2ステージをクリアできれば、次からは同じ地区内での異動も可能です。

以下小中学校を含みます

  • ステージA・・・区立学校および区立特別支援学級
  • ステージB・・・市立学校および市立特別支援学級
  • ステージC・・・町村立学校(島含む)、区市町村立特別支援学級、区立特別支援学校等

AorBステージは1校5年以上勤務
Cステージは1校3年以上勤務

がステージクリア条件です。

A、Bの特別支援学級がCに含まれるのは謎です。
ここは私も詳しいルールが良く分かりません。

ステージ経験の状況は校長を通じて地域の教育委員会に問い合わせれば分かるそうです。

公募制について

それぞれの市区町村に行きたい希望を出して、直接面接をする「公募」というシステムもあります。

意欲のある先生に来てもらうために
8月に説明会を行い、11月に面接をします。
その地区の特色のある学校づくりに賛同し、興味や意欲をもった先生が求められます。

主なルールは以下の通りです。

  • 3地域・2ステージ未経験者は同地区内での応募不可
  • 現任校勤務5年未満の場合は所属長や教育委員会の推薦が必要
  • 複数の地域の申し込みは不可
  • 教諭は「全科」「義務教育学校」「中学校各教科」の申し込みは不可
    主任教諭や主幹教諭は全ての枠に応募可能
  • 申し込み開始日は10/1

特別な事情がある時

特別な事情がある時には、校長と面談し、異動の融通が利くように事前に書類が必要です。
※中間申告まで

保育

通勤時間を考慮してもらえます。

他の家族が送迎できない理由を明確にしなければいけません。

利用する保育園の開園時間などの情報が必要です。

介護

介護と仕事の両立がしやすいように配慮してもらいます。

異動する本人がメインの介護者でなくてはいけません。
→他の家族で介護できない理由を伝えなければいけません。

介護が必要な家族の具体的情報、診断書などが必要です。

病気

病名や症状、治療の具体的状況が分かる資料、診断書などが必要です。
負担軽減の配慮がされます。

おわりに

異動ルールは何度も変わってきましたし、これからも変わっていくと思います。

定かではありませんが、管理職や教員のネットワークを活用して2校での異動教員の交換なんていう方法もあるとかないとか・・・

いずれにせよ異動はその人の働き方に大きく関わってきます。
新しい情報をキャッチして、希望に沿うような異動が叶うように事前に準備しておくことが大切です。

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