私は小学校の特別支援に関わって6年程ですが、その中で最近になって「汚言症」という単語を知りました。「汚言症」は「トゥレット症」の中の症状の1つです。
以前から奥田健次さんという方がトゥレット症、ということは知っていて
「音声チック」「運動チック」の両方が1年以上続いた場合に診断されるらしいです。
チックとは
- まばたきが激しい(運動チック)
- 首や肩回りを定期的に動かす(運動チック)
- 突然声が出る(音声チック)
などが無意識、またはちょっとした前兆があって出てしまうことを言います。
またその中でも
し〇 ころ〇 うんこ・・・
などなど、言ってはいけない言葉を言ってしまうのが汚言症です。
※よくある、うんこやおしっこと言って笑っている小学生とは、まったくの別の話です。
汚言症の場合は意図して言っているわけではありません。
汚言症の小学生の課題
大人になって言ってはいけない言葉を言ってしまうのは本当に苦しいと感じます。
→読売新聞オンライン
【トゥレット症を背負って】「うんこ」や「死ね」と叫び続ける27歳男性、止められない「汚言」に理解訴え
しかし、それは小学生でも同じこと。
低学年だと本人が気にしていなくても周囲は気になってしまいますし、
保護者の場合は特に悩み、苦しい思いをすると思います。
そして、3・4年生ごろになってくると自己認知が進んできて
「なんで僕はこんなことを言ってしまうんだろう」
「自分の事が嫌いだ」
など、自尊感情が大きく低下してしまう可能性が高いです。
そんな子どもの様子を見ているのは本当に辛いです。
本人は頑張ろうとしているのに、無意識に出てしまう暴言や不適切な言葉によって
友達関係を上手く築くことが困難になってしまいます。
それに加え、保護者の困り感も本当に大きく
外出したら、何を言うのかわからず怖い
家の中でも嫌な言葉を聞かされて辛い
学校でのトラブル連絡を受けるのが辛い
など、他にも多くの困りを抱えています。
私は医者ではないので治療に関して発言できる立場ではありません。
しかし、特別支援の立場で関わっている身で支援することはできます。
また、汚言症かも・・・という子の周囲の大人も支援の手は差し伸べられます。
汚言症なのかもと分かっていれば
叱るという方法ではなく
楽しい学校生活にするためにどうすればいいか一緒になって考えることができます。
何事もですが
まずは汚言症という症状を知り、その子どもの理解者になることが重要だと考えています。
かつラベリング・レッテル貼りをしないことも大事です。
症状を知るのはアセスメントの1つに過ぎません。
対策を考えて一緒に試してみましょう。何が合うかはその子次第です。
- SST
- 言い換え・リフレーミング
- 暴言など行ってしまった後の対処法
- いつ汚言症が出るのかを知り、似た状況を作らない工夫
などなど・・・
私もまだまだ勉強中の身です。
支援の手を差し伸べられる方が1人でも増えたら嬉しく思います。