ADHD(注意欠如多動性障害)とは?

発達

ADHDってどんな発達障害?

!この記事の前提と注意点!

ADHDの「診断」はDSM-5という、とっても難しいマニュアルに沿って行われます。世の中には簡単なチェックリストや「こんな人はADHD!」という情報も出回っていますが、簡単に決められるものではありません。

同じADHDの子でも多種多様です。おおまかに、こういう特徴が多いよね、という認識をもつのがベターかと思われます。

診断自体にそれほどの意味はありません(服薬の際には必要ですが)診断結果によって、その子や周りがどう行動していくかが大切です。

・不注意
・多動性・衝動性

の特徴がある発達障害です。
片方の特性がある子、両方の特性がある子がいます。

悪い面が強調されがちですが、行動力がすごい!想像力やひらめきが豊か!
などの良い特徴もあります。

具体例

不注意

  • 授業に集中せずぼーっとする、机の上で何かをいじる
  • 頭の中で想像が膨らむ
  • 忘れ物が多い

多動性・衝動性

  • 無意識に身体が動く、身体を動かしていないと落ち着かない
  • 感情のコントロールがききにくい
  • 待つことが苦手
  • 計画を立てるのが苦手、先延ばしにしてしまう

周りの大人ができること

特性のアセスメント

その子はどんな特性があって、どんなことに困っているのかを見取ります。お家と学校、それ以外の場でどのように過ごしているか多角的に知ることが大事です。

興味関心の強いものを知ると、その対象を中心にポジティブな方向へ指導・支援ができます。

ソーシャルスキルの獲得

自分のことを良く知って、他の人に説明できるようになる。困ったことを聞けるようになる。暴力や暴言ではなく、他の方法で自分の気持ちを表現できるようになる。気持ちの切り替え方法を知る。

この先より生きやすくするための技術を、小さい頃から身に付けておくことが大事です。

環境作り(構造化)

構造化は主に自閉症(ASD)の子に行われますが、他の子に対しても非常に有効です。

スケジュールを視覚的に分かりやすいようにする。
どこに何が置いてあるか、分かりやすいようにする。
整理整頓が苦手な場合には、とりあえずなんでも入れて置ける大きい箱を用意する。
パーテーションなどで空間を区切って落ち着ける場所を作る。
注意が分散しないように、掲示物はなるべき減らしたり見えなくしたりする。

などなど…

メンタルのケア

ADHDの子は、落ち着きのなさから叱られることが必然的に増えてくると思います。3,4年生あたりからは特に、自分と周りの違いに気づいたり他の子からからかわれたりすることも出てくるでしょう。

そこで自信をなくしてしまうと今後それを引きずってしまいます。周りの大人が良い点を見つけてあげてサポートしたり、他の子に周知したり心理面で寄り添うことも大事です。

医療機関に繋がる

一人で悩むのではなく、様々な専門家に繋がっておくことも重要。

学校に相談したり、自分で医療機関に足を運んで話を聞いてもらうのも良いでしょう。

ただし、医療機関を選ぶ際はそこがどんな所か情報を集めておきましょう!世の中には、根拠がほとんどない治療をすすめたり、理解の無い人が居る場合もあります。

ネットや学校、知人などからできるだけ情報を集めて、信頼できそうな医療機関にかかりましょう。

その他ADHDについての情報

統計

・児童の3~7%前後

・女性より男性のほうが3~5倍多い(大人になると同じくらいの割合になる)

・12~17%ほど「てんかん」を併発

薬物療法

・コンサータ・ストラテラ・インチュニブ・ビバンセの4種類

落ち着きが見られたり、集中できる時間が増えたりします。
お薬によって作用が違います。
副作用として食欲低下や、眠気が出ることもあります
年齢が上がるにつれて減らしていくことがあります。

私の経験則となりますが、服用をはじめたお子さんはかなり大きな変化が現れることが多いです。また、合う・合わないの差も大きいです。大切なのは、服用して集中ができたり、本人が「いい感じ」と思えたりするときにソーシャルスキルなどを学習して、必要な能力を身に付けることです。

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