ASDってどんな発達障害?
!この記事の前提と注意点!
ASDの「診断」はDSM-5という、とっても難しいマニュアルに沿って行われます。世の中には簡単なチェックリストや「こんな人はASD!」という情報も出回っていますが、簡単に決められるものではありません。
同じASDの子でも多種多様です。おおまかに、こういう特徴が多いよね、という認識をもつのがベターかと思われます。
診断自体にそれほどの意味はありません診断結果によって、その子や周りがどう行動していくかが大切です。
- コミュニケーションの難しさ
- こだわりの強さ、過敏性
の特徴がある発達障害です。
親の育て方が悪いから!という考えが昔はありましたが、そんなことは全くありません。
以前はアスペルガー症候群や高機能自閉症という名称があり、これらは自閉症に含まれます。
ちなみに「スペクトラム」は「連続」という意味で、人によってその特性の強さは違うよということです。人によって色んな性格や特徴があるよということを「虹色」に考える例えもあります。
具体例
感覚過敏
- 特定の物しか食べられない(白米とからあげだけしか食べない等)
- 触れることを極端に嫌がる
- うるさいことに耐えられずパニックになる
こだわりの強さ
- 予定が変わるとかんしゃくを起こす
- 回るものが好きで、特に扇風機を眺めるのが大好き
- 電車の音から何の種類か当てたり、ダイヤグラムを暗記するんど、好きなものに関してとことん突き詰める
- 物の順番をそろえることにこだわり、特定の順番で無いと落ち着かない
- 順番や勝ち負けにこだわり、1位でないとパニックになる
コミュニケーションの難しさ
- 冗談が通じない
- 電話で「お母さんいる?」と聞かれて「いるよ」とだけ答える(言葉をのそのままの意味で受け取る)
- 表情から、相手の気持ちを汲み取りにくい
- 好きなことを一方的に話す
- 「ちょっと」や「ちゃんと」など、あいまいな表現が苦手
周りの大人ができること
特性のアセスメント
その子はどんな特性があって、どんなことに困っているのかを見取ります。お家と学校、それ以外の場でどのように過ごしているか多角的に知ることが大事です。
興味関心の強いものを知ると、その対象を中心にポジティブな方向へ指導・支援ができます。
ソーシャルスキルの獲得
負けた時に「まあいっか」と言う練習をする。”話す人がボールを持つ”というルールでコミュニケーションを取り、自分ばかりボールを持たないようにする。嬉しい(言葉)⇔にこにこ(絵)など、感情と表情と言葉を結びつける。
自分のことを良く知って、他の人に説明できるようになる。困ったことを聞けるようになる。
この先より生きやすくするための技術を、小さい頃から身に付けておくことが大事です。
環境作り(構造化)
イヤーマフを使わせて、苦手な音を遮断する。
スケジュールを視覚的に分かりやすいようにする。
起きる→着替える→ご飯を食べる→歯を磨く、など具体的なルールを絵などで見せて覚えさせる。
どこに何が置いてあるか、色やテープなどで分ける。
パーテーションなどで空間を区切って落ち着ける場所を作る。
医療機関に繋がる
一人で悩むのではなく、様々な専門家に繋がっておくことも重要。
学校に相談したり、自分で医療機関に足を運んで話を聞いてもらうのも良いでしょう。
ただし、医療機関を選ぶ際はそこがどんな所か情報を集めておきましょう!世の中には、根拠がほとんどない治療をすすめたり、理解の無い人が居る場合もあります。
ネットや学校、知人などからできるだけ情報を集めて、信頼できそうな医療機関にかかりましょう。
その他ASDについての情報
統計
・ASDは3%前後で女性より男性に多い。
・5~38%ほど「てんかん」を併発
・遺伝的影響が強いという研究がある。
薬物療法
・エビリファイ
ドーパミンの量を安定させ、やる気がしない状態を改善させたり、気持ちを落ち着かせたりする作用がある。