発達障害の勉強をしていると、よく「DSM-5」というワードが出てきます。
簡単に言うと精神疾患の診断マニュアルなのですが
今回は少しだけ深堀りをして解説していきます。
概要
- Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders の略
- 米国精神医学会が定期的に発行
- 第5版は2013年に発行
- WHOが発行しているICD-11という分類もある
- 臨床場面でDSM-5が使われていることが多い
日本精神神経学会がDSM-5の分類を訳した物※発達障害の分類
(以前の訳語→現在の訳語)
- 発達障害 神経発達症
- 知的障害 知的発達症
- コミュニケーション障害 コミュニケーション症群
- 広汎性発達障害 自閉スペクトラム症
- 注意欠如・多動性障害 注意欠如・多動性症
- 学習障害 限局性学習症
- 発達性協調運動障害 発達性協調運動症
診断の流れ
DSM-5は診断の中で”参考にしている”にとどまります。
またDSM-5を使って自己診断をすることはできません(見るのはOKです)
①診察
- 子どものへの問診
- 子どもへの行動観察
- 必要に応じて身体診察
- 必要に応じて心理検査や脳波の検査
②診断
診察結果を総合的に検討して判断します。
診断についての注意点
- 現時点では診断の根拠となる生物学的な指標はありません
- 発達障害の特性だけでは診断されません。日常生活や社会生活に大きな課題が生じている必要があります
- 総合診断が基本です
ちなみによく使われる検査は知能検査のWISCです。
日本で計算や算数のスキルに関する標準化された検査は現時点ではありません。
もう少し詳しい基準や、それぞれの特性をまとめた記事はこちらです。
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日本語版のガイドライン(日本精神神経学会より)
LITALICOさんの解説
「DSM-5とは?診断基準・分類の内容やICDとの違い、受けられる支援やサービスを解説します」
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