世の中に沢山ある発達検査の概要をまとめていきます。
厳密な定義はありませんが、知能検査・心理検査も含めてまとめています。
※2024年時点での情報です。
知能検査
WISC
対象:5歳0か月~16歳11か月
ポピュラーな知能検査。今までⅣ(4)が使われていたが、Ⅴ(5)が2022年に販売され、現在はWISC-Ⅴでで検査を取ることも多い。
以下はVの説明。
5つの主要指標得点
VCI 言語理解
VSI 視空間
FRI 流動性推理
WMI ワーキングメモリ
PSI 処理速度
と、その合成得点のFSIQが算出される。
詳しい説明は今後、1つの記事として執筆予定です。
WAIS
対象:16歳0か月~90歳11か月
大人が対象のポピュラーな知能検査。
Ⅳ(4)が最新
VCI 言語理解
PRI 知覚推理
WMI ワーキングメモリ
PSI 処理速度
とその合成得点のFSIQが算出される。
WPPSI
対象:2歳6か月~7歳3か月
~3歳11か月
VCI 言語理解
PRI 知覚推理
GLC 語い総合得点
全検査IQ が算出される
4歳0か月~
VCI 言語理解
PRI 知覚推理
PSI 処理速度
GLC 語い総合得点
全検査IQ が算出される
田中ビネー
対象:2歳~成人
幼児期ではポピュラーな検査。知能発達の遅れがあるかどうか?の判断にも使われる。
知能など問題によって何歳レベルか?を判定して、実年齢と比較する。
新版K式発達検査
対象:0歳~成人
P-M 姿勢・運動
C-A 認知・適応
L-S 言語・社会
K-ABC
対象:2歳6か月~18歳11か月
日本版 KABC-IIというものが使われる
認知能力+基礎学力が分かる。
継次尺度(短期記憶尺度)
同時尺度(視覚処理尺度)
計画尺度(流動性推理尺度)
学習尺度(長期記憶と検索尺度)
語彙尺度(結晶性能力尺度)
算数尺度(量的知識尺度)
読み尺度 および 書き尺度(読み書き尺度)
※年齢によって行う検査は変わる。
その検査を元にカウフマンモデル・CHCモデルという尺度で能力を測る
DN-CAS
対象:5歳0か月~17歳11か月
プランニング
注意
同時処理
継次処理
4つの認知機能を測る。
認知の偏りから、ASD・ADHD・LDの傾向があるかを知るきっかけとして利用される。
適応行動の評価
S-M社会生活能力検査
対象:乳幼児〜中学生
その名の通り、どの程度社会生活を送れるかを検査して支援に活かす。
ヴァインランド適応行動尺度
対象:0歳0カ月〜92歳11カ月
保護者などに半構造化面接を行う。
コミュニケーションや日常生活、社会性のスキルなどを検査する。
ASA旭出式社会適応スキル検査
対象者:幼児〜高校生
保護者や担任など、その子をよく知っている大人が回答する。
言語・日常生活・社会生活・対人関係のスキルを検査する。
ADHDの評価
ADHD評価スケール
質問紙により評価される。家庭版と学校版で分かれている。
Conners3日本語版
質問紙により評価される。親用、教師用、本人用がある。
項目数が非常に多いため時間がかかるが、様々な面から評価が可能になる。
学習障害(LD)の評価
LDI-R
対象:小学校1年〜中学校3年
LDの可能性があるかどうかを判断する検査。
基礎学力・行動・社会性の領域がある。
自閉症(ASD)の評価
SRS-2対人応答性尺度
対象:2歳半〜成人
保護者や教師など、その子を良く知る大人が回答する。
ASDと関連した社会的障害や重症度を把握できる。
対人行動・コミュニケーション・反復、情動行動などを検査する。
PARS-TR
その子の母親と面接をして検査する。
幼児期から現在までの行動の特徴を手掛かりにする。
AQ
自閉症スペクトラム指数の略
自閉症傾向かどうかを検査する。
社会的スキル
注意の切り替え
細部への注意
コミュニケーション
想像力
の5つの項目がある。
人格検査
描画テスト
「〇〇を描いて」などと言われて、どのように表現するかを見る方法
- バウムテスト(1本の木を描く)
- 人物画
- S-HTPテスト(人・木・家を描く)
他にもいくつか種類がある。
その子の内面を理解する手法の1つ。
文章完成法(SCT)
「私の好きな○○」など未完成な文章を完成させてもらう。
その子のパーソナリティを把握する検査。
PFスタディ(絵画欲求不満テスト)
(ストレスになることを言われた時の)イラストからどのように返答するかを見て
その子のパーソナリティを把握する検査。
ロールシャッハテスト
インクのしみを見て何と答えるかを見る。
その答えから、その子の考えや障害などを推測する検査。
関連用語
フリン効果
年々人類のIQは上昇していくという現象。
そのため、新しい発達検査ではIQは低く出て、昔の発達検査ではIQが高く出る傾向がある。
テストバッテリー
いくつかの検査を組み合わせること。
複数の視点でアセスメントができるメリットはあるが
検査に時間がかかり、対象者に負担がかかるデメリットもある。