概要
社会スキルを高めるために、ワークシートを使って子どもと一緒に考える本です。
コミュニケーションや困ったときの対策などなど、名前の通り「こんな時どうするか?」という場面が25例載っています。
おおまかに事例を分けると
- ゲームのとき
- 授業のとき
- 友達と話すとき
- 自分が悪いことをしてしまったとき
- 誘い方や断り方
があります。
1つの事例に指導と解説がついていて、支援者のマインドなども学ぶことができます。
内容
いくつかの事例をピックアップして、私なりに解説します。
ゲームで負けた!
負けて泣いたり、かんしゃくを起こす子どもはよくいます。
私もよく泣いていました…
線引きは難しいですが、程度や度合が大切です。
甲子園で負けて泣く球児を見て、困ったなあとは思いません…よね?
大したことないことで(本人にとっては大ごと)
必要以上に泣いたりかんしゃくを起こす
ことが起きると本人も周りも困ります。
このような場合の支援の1つに
- 勝ち負けを気にしない合言葉「まあいいか」を覚える
- スモールステップで勝ち負けの練習
といったものがあります。
別に、給食じゃんけんで負けたからと言って、人生に絶望する必要はありません!
「まあいいか!」で終わらせましょう。
ただ、給食じゃんけんはハードルが高いよ・・・という場合はスモールステップです。
すぐに勝ち負けがひっくり返る坊主めくりなんかがおススメです。
慣れてきたら、五目並べやトランプのスピードなど、少し時間がかかるものにしてみましょう。
大人がわざと負けて「まあいいか」を実演するのもいいですね。
何回も繰り返すうちに慣れてくると思います。
話したいことがあるけど、友達が違う話をしている
これは空気を読む
ということですね。
マイクラの話で盛り上がってる友達の輪に、いきなりポケモンの話をぶつけたら「え!?」となってしまいます。
ロールプレイなどで、そこに気づかせるのもいいですね。
じゃあどうすればいいの?というと
「ちょっといい?」「違う話なんだけどいい?」というきっかけ言葉を使う。
今回は諦める。
など、対応策を知って使ってみると◎です。
ほしくない物をもらった
この本ではお土産を渡すイラストが書かれています。
「別にいらないんだけど」
「これ嫌いなんだよね」
あきらかにNGですね。
かといって
「めっちゃ好き!ありがとう!」
と大げさにうそをつくのもなんか違う・・・
NG返答を大人がしてみて、どうだった?と子どもに聞いてみるのはアリです!
シンプルに「ありがとう」と言って、受け取るのが大人な対応ですかね?
(ほかに良い方法があったら教えてください!)
この例は逆に、おみやげを上げる立場だったらどうすればいいかも考えさせることができます。
うっかり人の物をこわしてしまった
わざとじゃなくても物を壊したり、汚したりしてしまうことはありますよね。
怒られるのが嫌だから隠す。
わざとじゃないから謝らない。
ということはしてほしくありません。
ワークシートだと、他人事感が出てしまうので実際に似た話があればその話と紐づけるのが◎です。
この例では
正直に謝る。
他の人が正直に謝ったら許す。
が大切ということを教えましょう。
もちろん、誠意をもつことも必要です。ヘラヘラ笑ったりせず、謝る技術を伝えましょう。
ちょっと待った!という反論が出てきそうです。
そりゃあ、例外も沢山あります。わざとでなくとも、謝るだけで済まない場合もあります。
交通事故なんかはその典型例ですね。事故を起こしたくて起こす人はほとんどいないし、謝って許されることでもありません。
ここで伝えたいのは基本です。
何事も基本を覚えてから、応用です。
謝ることが身に付いてから、そうはいかない時もあるよねと話してみるのがいいのではないでしょうか?
仲間にいれてほしい
みんなが楽しく遊んでいて、僕も一緒にやりたいな・・・
と思っている場面です。
さきほどのようにきっかけ言葉を使えば解決しそうです。
「何してるの?」
と一言言ってから
「一緒にやっていい?」
「入れてほしい」
「私もやりたい」
と意思を伝えるのが良いですね。
大人数にまじるのは難しいので、環境があれば2,3人の輪の中に入るところからやってみると良いでしょう。
著者
・落合由香さん
神戸YMCAサポートプログラム講師
特別支援教育士SV
・石川聡美さん
神戸YMCAサポートプログラム講師
特別支援教育士
・竹林由佳さん
神戸YMCAサポートプログラム講師
特別支援教育士