はじめに
低学年の道徳の授業で
「あったかことば(ふわふわことば)・チクチクことば」
というものがあります。
簡単に言うと
「ありがとう」「ごめんね」など、相手を気遣う良い言葉や嬉しくなる言葉を使って
「ばか」「ださい」など相手が嫌な気持ちになる言葉を使わないようにしよう
ということを目的としています。
今回はSSTを使って特別支援的な視点で
「あったかことば」「チクチクことば」
を考えていきます。
めあて
- あったかことばとチクチクことばを知る
- あったかことばを使う
- 相手の気持ちを考える
授業の進め方
準備
短冊の掲示 のみ
協力系のゲームを絡めるとちくちく言葉の悪い例も出しやすく、あったか言葉を引き出しやすくなります。
例)風船バレー、ボッチャ、どんじゃんけん等
進め方
まずは子どもの経験から言葉を引き出す方法です。
言われて嬉しい言葉はありますか?
具体的な出来事を出してもらうと想像しやすく、参加してもらいやすくなります。
「ケガをしたときに大丈夫?と気にしてくれた」
「ドッジボール強いね!と褒めてくれた」
などなど
言われて悲しい言葉はありますか?
実際に人の名前を出すと悪口になってしまう可能性があるので、気を付けます。
「ばかじゃん!と言われた」
「気持ち悪い・・・と言われた」
などなど
次に、SSTで例を見せる方法です。
題材は風船バレーとしてみます。
サーブ失敗しちゃった・・・
ヘタクソ!
うえーん
Bくんは何と言った方が良かったかな?
→どんまい・次あるよ!・大丈夫・いいよいいよ!
成功した時もやってみるといいですね。
点が入ったぞ!
ナイス!
他には、いいね・すごい!・やった!(拍手、グッドなどのボディランゲージ)
言われた時の気持ちと結び付けるのも有効な手段です。
・あったか言葉→「うれしい・やる気が出る・がんばろうって思える」
・ちくちく言葉→「悲しい・傷つく・イライラする」
なぜ言った方が良いか、言ってはいけないかの理由付けをすることで
その言葉の必要性を知ってもらいます。
ゲームをやる場合はこの後に実際にやりながら声掛けをしてもらいましょう。
出てきた声掛けは板書するのが〇
トークンエコノミーも活用するとさらに声掛けが増えやすくなります。
少しだけ注意点ですが、ちくちく言葉の指摘は少なめにするのがおすすめです。
応用行動分析という考え方なのですが、「〇〇をしない」という指示は行動に結び付きにくく
「あったか言葉を使う」ことを優先することで自然とちくちく言葉が減るはずだからです。
終わりに
特に低学年で身に付けておきたい非常に重要なスキルが「あったか言葉」です。
一度の授業で身に付けるのは難しいので
自然に口に出せるように何度も繰り返し練習したい指導です。
そのグループや言語環境が良くなれば、集団の雰囲気が良くなりみんなが楽しく過ごしやすい環境に繋がります。