解説
特別支援教室・特別支援学級・特別支援学校の教育課程に設けられた指導領域です。
6つの項目からなります。
特に特別支援教室は教科の指導ではなく、自立活動の指導を行います。
私は特別支援教室の経験がほとんどなため、そこをベースにお話しします。
主観が非常に強いのでそこにご注意ください。
また、これらの項目は障害に関わらず、全ての子どもに必要なスキルです。
5つの視点から子どもをアセスメントしてみるのも子育てや指導に活かせます。
1 健康の保持
病弱や重度重複障害の子供たちに大きく関わります。
ピンポイントな指導は難しいですが、睡眠や食事など生活習慣に関わるので全ての子どもたちの一番の基盤となる内容です。
2 心理的な安定
情緒障害と関連しています。
状況の変化に対応するスキルが含まれるので自閉症にも大きく関わります。
困りを克服したい!という意欲を引き出すことも大切です。
環境調整や応用行動分析の支援が有効だと思われます。
3 人間関係の形成
自己理解や他者の関わりに繋がっていきます。
周りに合わせて行動するということは、この人間関係の形成にあてはまりますね。
4 環境の把握
視覚や聴覚の困難に関わります
五感などを使って、周りのことを知ったり、活用方法を学びます。
5 身体の動き
発達性協調運動症に関わります。→https://puyo-tokushi.com/dcd/
粗大運動や微細運動、ビジョントレーニングなどで感覚統合を進めていきます。
6 コミュニケーション
6項目すべてが重要で優劣もつけられませんが
このコミュニケーションが自立活動の総合的な力を土台とする項目だと思っています。
1~5を育てた上で真価が発揮されます。
関係無い話かとも思われますが、人間は調子の悪い時は小さなことでイライラしてしまいますよね。
コミュニケーションのスキルは、1~5で育った土台があってこそ、どんどんと身に付けられるものだと思っています。
コミュニケーションのスキルは沢山あります。
あいさつのしかた・お礼の言い方・会話のルール・断り方・言葉ではないやりとり…などなど
これらができるだけで、ぐっと生きやすくなると思います。
誰だって、コミュニケーションは失敗して学んでいます。
大人もコミュニケーションに悩んでいるはずです。
死ぬまで必要な、このコミュニケーションの基礎を子供のうちから沢山学んでいってほしいと思っています。
※詳細↓
1 健康の保持
(1)生活のリズムや生活習慣の形成に関すること。
(2)病気の状態の理解と生活管理に関すること。
(3)損傷の状態の理解と養護に関すること。
(4)健康状態の維持・改善に関すること。
2 心理的な安定
(1)情緒の安定に関すること。
(2)対人関係の形成の基礎に関すること。
(3)状況の変化への適切な対応に関すること。
(4)障害に基づく種々の困難を改善・克服する意欲の向上に関すること。
3 人間関係の形成
(1) 他者とのかかわりの基礎に関すること。
(2) 他者の意図や感情の理解に関すること。
(3) 自己の理解と行動の調整に関すること。
(4) 集団への参加の基礎に関すること。
4 環境の把握
(1)保有する感覚の活用に関すること。
(2)感覚の補助及び代行手段の活用に関すること。
(3)感覚を総合的に活用した周囲の状況の把握に関すること。
(4)認知や行動の手掛かりとなる概念の形成に関すること。
5 身体の動き
(1)姿勢と運動・動作の基本的技能に関すること。
(2)姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用に関すること。
(3)日常生活に必要な基本動作に関すること。
(4)身体の移動能力に関すること。
(5)作業の円滑な遂行に関すること。
6 コミュニケーション
(1)コミュニケーションの基礎的能力に関すること。
(2)言語の受容と表出に関すること。
(3)言語の形成と活用に関すること。
(4)コミュニケーション手段の選択と活用に関すること。
(5)状況に応じたコミュニケーションに関すること。
関連リンク
・文部科学省「自立活動」→https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/cs/1320932.htm